@article{oai:mdu.repo.nii.ac.jp:00000120, author = {渡邉, 誠}, issue = {2}, journal = {松本歯学}, month = {Aug}, note = {application/pdf, 【目的】本研究は補綴装置の構成要素の破壊の一因である鋳造欠陥に着目し,特に欠陥がチタン製クラスプに内包されたときの機械的性質について検討する事を目的に,まず,基本的な形態の試験片に実験的な欠陥を加工し,3次元有限要素解析と物証実験を比較し,最終的には欠陥を内包したモデルを製作し機械的性質に及ぼす影響について検討した.【方法】実験1 有限要素解析パラメータの算出と妥当性の検討Commercially Pureチタン(以降,CPチタンと呼ぶ)にはJIS第2種の線材(直径1.0, 2.0mm)と鋳造用インゴットを使用した.まず直径2.0mm線材と鋳造体について引張試験を行い,それぞれの応力-ひずみ曲線から得られた値を解析パラメータとした.さらに,線材と鋳造体について曲げ試験(本実験で行う曲げ試験はすべて片もちはり曲げ試験とした)を行い,実測値と解析値を比較検討し,解析に用いるパラメータの妥当性を確認した.実験2 実験的に欠陥を加工した線材の曲げ試験鋳造欠陥を想定して直径0.3, 0.5, 0.7mmの仮想欠陥を1試料につき1ヶ所切削加工した直径1.0mm線材の曲げ試験を行った.欠陥の位置は固定部から3.0, 6.0, 9.0mm(以降,固定側,中央部,荷重側と呼ぶ)として,機械的性質に与える影響について検討した.実験3 テーパー付き鋳造体における曲げ試験と非線形解析の比較テーパー付き鋳造体に関して,万能試験機による曲げ試験の結果とコンピュータ上で製作したモデルによる解析値を比較した.実験4 欠陥を含有したテーパー付き鋳造体の非線形解析直径0.3, 0.5, 0.7, 1.2mmの球状欠陥を1試料につき1ヶ所含有したテーパー付き鋳造体のモデルについて解析した.また,欠陥の位置は実験1と同様に固定側,中央部,荷重側に設定した.作製したモデルについて曲げによる解析を行い,欠陥の位置と大きさが鋳造体に与える影響について検討した.実験5 欠陥の位置が機械的性質に及ぼす影響これまでの実験で曲げ試験時に最も差が認められた固定側の条件について,鋳造体の位置を中心軸から外側と内側に0.05mmずつ偏位させて解析した.【結果および考察】欠陥が鋳造クラスプの機械的性質に与える影響について有限要素で解析を行ったところ,1.直径1.0mmの鋳造による円柱状試験片では,欠陥の直径が0.3, 0.5mmのとき,機械的性質には影響を及ぼさず,直径が0.7mm以上になると疲労破壊が生じる可能性が示唆された.2.幅2.0mm,厚さ1.7mm(固定部),幅1.6mm,厚さ1.3mm(荷重部)長さ13.0mmのテーパー付き鋳造体では直径1.2mmの欠陥が固定側に存在すると機械的性質は低下し,より小さな応力で変形を起こすことが判明した.3.欠陥が鋳造体の外側に偏位もしくは外側に向かって開放された状態になると機械的性質が大きく低下する傾向が示された.一連の結果より,臨床で欠陥を内包した鋳造体を補綴装置に応用する場合,幅2.0mm,厚さ1.7mm(固定部),幅1.6mm,厚さ1.3mm(荷重部)長さ13.0mmのテーパー付き鋳造体では直径1.2mm以上の欠陥が鉤脚部から鉤肩部に存在すると,欠陥周囲に応力が集中し,破壊する可能性が高くなるので,非破壊検査によってこの様な欠陥が認められた場合,再製作する必要がある事が判明した.}, pages = {150--164}, title = {欠陥を内包したチタン製鋳造クラスプの機械的性質に関する研究}, volume = {35}, year = {2009} }