@article{oai:mdu.repo.nii.ac.jp:00000130, author = {蓮見, 秀樹}, issue = {3}, journal = {松本歯学}, month = {Dec}, note = {application/pdf, フィッシャーシーラントは,小窩裂溝の齲蝕予防や初期齲蝕進行抑制手段として臨床上極めて有用である.しかし,予後不良例も認められ,その原因として,ブラシと酸処理による小窩裂溝内有機性残遺物の清掃が困難,シーラント材の破折による微細漏洩などがあげられ,二次齲蝕の原因となりうる.また,最近ではレジン系シーラントの前処理に用いるリン酸エッチングが未成熟エナメル質に対してダメージを与えることが指摘されている.したがって,このような状態を回避するために,広い抗菌スペクトルを有する第四アンモニウム塩の一種であるアルキルピリジニウム(12-Methacryloyloxydodecylpyridinium bromide:以下MDPB)をプライマーに配合したボンディング材が開発されたことに着目した.このMDPB配合ボンディング材は,プライミングと同時に殺菌作用が発揮され,硬化後は接着界面からの抗菌成分の溶出が生じず,経時的な接着界面の劣化が起こらないとされているため,シーラント材として用いることにより,予後向上に寄与できる可能性がある.本研究では,MDPB配合ボンディング材のプライミング時の殺菌作用だけでなく,硬化後にも抗菌力を持続させるために,光触媒作用により抗菌性が期待できる酸化チタンを添加して,プライミング時とシーラント後の二段階の抗菌性を付与させた試作シーラント材を作製した.この試作シーラント材を用いた場合,酸化チタンが白色顔料にもなるため,シーラント後に発生する辺縁破折等の異常が容易に確認できると考えられる.そこで本研究では,二段階の抗菌性と白色着色による識別性を付与させた試作シーラント材について材料学的検討および細菌学的検討をおこなった結果,以下の結論を得た.1. MDPB配合ボンディング材(以下PB)を酸化チタンにより白色着色した場合,重量比0.001%配合が適切であった(以下0.001%WPB).2. 0.001% WPBの白色は,市販シーラント材2種の白色に比較して明るい自緑黄色であった.3. 0.001%WPBは,EPMAによる面分析をした結果,酸化チタンの粒子がほぼ均一に分布するのが観察された.4. 0.001%WPBは,サーマルサイクリング負荷後の填塞状態や微細漏洩はPBと同等で,シーラント材(以下FS)に比較して良好であった.5. 0.001%WPBのサーマルサイクリング負荷後の微小硬度は,PBよりも若干低値を示したが,FSよりも高値であった.6.酸化チタンの光触媒作用によるStreptococcus mutansに対する抗菌性の評価をおこなった結果,10分間の350nmの紫外線照射により生菌数の減少が認められた.以上より,0.001%WPBは歯面処理時と填塞後の二段階の抗菌性を有したシーラント材として臨床応用が可能であり,耐齲蝕性の向上と白色着色による良好な識別性により,フィッシャーシーラントの予後向上に寄与することが判明した.}, pages = {261--269}, title = {抗菌性モノマー配合ボンディング材のフィッシャーシーラントへの応用}, volume = {35}, year = {2009} }