@article{oai:mdu.repo.nii.ac.jp:00000131, author = {織田, 秀樹}, issue = {3}, journal = {松本歯学}, month = {Dec}, note = {application/pdf, 【目的】レボブピバカインは,長時間作用性局所麻酔薬のブピバカインに含有されている鏡像異性体のR(+)体とS(-)体のうち,S(-)体のみで構成されたアミド型局所麻酔薬である.医科領域においては硬膜外麻酔などに使用されているが,歯科領域における局所麻酔効果については報告が少なく,詳細は明らかではない.本研究ではラットの口腔粘膜に浸潤麻酔を行い,歯髄電気刺激に伴う体性感覚誘発電位(SEP)の変化を指標にレボブピバカインの局所麻酔効果について検討し,現在歯科臨床で使用されている1/80,000アドレナリン添加2%リドカイン(2%リドカインA),3%メピバカインと比較した.またレボブピバカインによる組織血流量の変化をレーザードップラー血流計を用いて測定した.【方法】実験1:各濃度のレボブピバカインの浸潤麻酔効果ラットの口蓋粘膜へ浸潤麻酔を行い,上顎切歯歯髄電気刺激に伴うSEP初期成分の振幅(, P_1-N_1, )の変化を測定した.局所麻酔薬は2%リドカインA,3%メビバカインおよび0.5%,0.75%,1.0%,1.5%のレボブピバカインを使用した.実験2:アドレナリン添加レボブピバカインの浸潤麻酔効果実験1と同じ方法で0.75%レボブピバカインに1/500,000と1/200,000のアドレナリンを添加したものを使用した.実験3:レボブピバカイン投与後の組織血流量の変化ラットの皮膚に局所麻酔薬を投与し,レーザードップラー血流計を使用して血流量の変化を観察した.局所麻酔薬は0.125%,0.25%,0.5%,0.75%,1.0%のレボブピバカインを使用した.またレボブピバカインと比較するため2%リドカイン,2%リドカインAによる血流量の変化も測定した.【結果および考察】実験1:局所麻酔薬の注射により, P_1-N_1, は減少した.2%リドカインAは注射2.5分後から120分後まで,3%メピバカインは注射2.5分後から25分後まで, P_1-N_1, は有意に減少した.0.5%レボブピバカインは注射2.5分後から20分後および30分後,50分後,70分後,80分後で, P_1-N_1, は有意に減少し,0.75%レボブピバカインは注射2.5分後から100分後まで,1.0%レボブピバカインは注射直後から180分後まで,1.5%レボブピバカインは注射2.5分後から180分後まで, P_1-N_1, は有意に減少した.レボブピバカインが高濃度になるほど, P_1-N_1, の抑制は増強され長時間持続した.このうち2%リドカインAと同等の局所麻酔効果を示したのは0.75%レボブピバカインであった.実験2:1/500,000および1/200,000のアドレナリン添加により0.75%レボブピバカインの, P_1-N_1, の有意な減少が注射180分後まで延長した.特に1/200,000アドレナリンを添加した場合は180分経過しても, P_1-N_1, の回復傾向はみられなかった.実験3:0.125%,0.25%,0.5%レボブピバカインでは有意に皮膚の組織血流量が減少し,血管収縮作用を示した.その作用は低濃度になるほど強くなり,2%リドカインAとの比較で有意差がみられなかったのは0.125%レボブピバカインであった.これに対して0.75%,1.0%レボブピバカインでは血管拡張傾向を示したが有意な変化ではなく,2%リドカインの血管拡張作用ほど著明ではなかった.以上の結果から,レボブピバカインを口腔粘膜の浸潤麻酔に使用する場合,0.75%の濃度で2%リドカインAと同等の麻酔効果を得られるものと思われる.また0.75%レボブピバカインは血管を拡張させる傾向がみられるが,その作用は弱く,アドレナリンを添加する場合,1/200,000以下の低濃度で十分と思われる.}, pages = {270--283}, title = {レボブピバカインのラット歯髄神経への局所麻酔効果 : 歯髄電気刺激に伴う体性感覚誘発電位による評価}, volume = {35}, year = {2009} }