@article{oai:mdu.repo.nii.ac.jp:00001542, author = {森, 啓}, issue = {1}, journal = {松本歯学}, month = {Apr}, note = {application/pdf, 近年の超高齢社会の訪れにより基礎疾患の増加,内服薬の多種類化およびストレスの負荷など により,唾液流量の低下がもたらされ,口腔乾燥 症に伴う口腔粘膜の委縮,齲蝕,嚥下困難および 真菌感染症などの症状を引き起こす結果となって いる.また,咀嚼回数の減少が,唾液腺の萎縮や 唾液の合成分泌の低下をもたらすとの説がある. 口腔乾燥症の改善方法として,飲水,含水,人工 唾液製剤や口腔保湿液の使用などが用いられてい るが,必ずしも効果があるとは限らない. 今回,口腔乾燥症治療のアプローチとして,口 腔衛生指導と補綴治療が唾液流出におよぼす影響 について検討した. 対象者は,平成12年から18年の7年間に神奈川 歯科大学附属病院を受診し,口腔乾燥感ならびに 口腔不快症状を訴えた31名であり,以下の4群に 分類した. 口腔乾燥感または口腔不快感を訴えているが, 補綴治療が必要なく初診時診査から口腔衛生指導 のみを行った群(衛生指導群),口腔衛生指導の 他にクラウン・ブリッジ・部分床義歯・全部床義 歯の製作および義歯調整などの何らかの補綴治療 を併せて行った群(衛生指導+補綴群),何らか の全身疾患を有しながら口腔衛生指導と補綴治療 を併せて行った群(有病者+補綴群),シューグ レン症候群と診断され口腔衛生指導と補綴治療を併せて行った群(シューグレン+補綴群)であ る.以上のように,すべての対象者に対して口腔 衛生指導は行った. 安静時唾液量は,衛生指導群,衛生指導+補綴 群で有意に増加が認められた.刺激時唾液量は, 衛生指導+補綴群および有病者+補綴群におい て,初診時と比較して12週間まで有意に増加し た. 初診時にカンジダ菌が検出された対象者の中 で,衛生指導+補綴群,有病者+補綴群におい て,初診後12週間後まで経時的にカンジダ菌の減 少が著明に認められた. O’Leary のプラークコントロールレコードを利 用した評価スコアにより,口腔清掃状態の改善に ついて,それぞれの対象者群で経時的に検討し た.すべての群において,口腔清掃状態の改善を 認める対象者が認められた. 初診時の患者口腔内に認められた症状は, シェーグレン+補綴群,有病者+補綴群,衛生指 導+補綴群の順番に重篤度を示した.治療が進行 するに従い,初診後12週間後まで,経時的にその 症状は軽減した. 口腔乾燥感は,すべての患者群において,初診 後12週間後まで経時的に軽減した. 以上の結果から,口腔衛生指導単独と比較し て,口腔衛生指導と補綴処置の併用治療により唾 液流出量を増加させることが示された.その結果 として,カンジダ菌を減少させ,口腔乾燥症状改 善が可能であると考えられた.口腔衛生指導と補 綴治療による咀嚼機能改善を同時に行うことが, 口腔乾燥症の治療に有用であることが示唆され た.}, pages = {44--52}, title = {口腔衛生指導と補綴治療による唾液流量増加と口腔環境の改善に関する臨床的研究−唾液液量とカンジダ菌との関連−}, volume = {38}, year = {2012} }