@article{oai:mdu.repo.nii.ac.jp:00001566, author = {實藤, 信之}, issue = {2-3}, journal = {松本歯学}, month = {Dec}, note = {application, 術後の疼痛管理として,術前からの消炎鎮痛薬投与,全身麻酔時の麻薬性鎮痛薬投与や局所麻酔法の併用などが行われている.局所麻酔下での外科手術においても,局所麻酔により術中の痛みを取るだけではなく,長時間作用性局所麻酔薬を用いた伝達麻酔を併用することで,より長時間の局所麻酔効果を得ることができ,術後疼痛を少なく出来る可能性がある.そこで本研究では,口腔外科小手術に際して伝達麻酔を併用するにあたり,中時間作用性の局所麻酔薬と長時間作用性のものとで,術後の疼痛発現,鎮痛薬の服用時間,術後疼痛の強さ,麻酔奏効中の不快症状などに違いがあるかどうかを比較検討した.口腔外科小手術が予定されたASA分類PS(Physical Status)1~2の外来患者80名を対象とした.下顎埋伏智歯抜去(半埋伏歯抜去を含む)予定の患者40名と,上顎前歯部埋伏歯抜去または嚢胞摘出術(歯根端切除術を含む)予定の患者40名を,伝達麻酔に使用する局所麻酔薬により無作為に20名ずつ2群に分けた.局所麻酔薬には1/80,000アドレナリン添加2%リドカイン(2%L)または0.75%ロピバカイン(0.75%R)を用い,下顎孔伝達麻酔と眼窩下孔伝達麻酔を実施した.術後疼痛の発現時間,疼痛の程度(Face Pain Rating Scale;以下FPRS),鎮痛薬の服用時間,麻酔奏効中の不快症状について調査した.また,術後疼痛を自覚した時のFPRS値をもとに,術後1時間後から10時間後までの,疼痛の有無と疼痛の強さを比較検討した.下顎孔伝達麻酔を行った2%L群では,術後疼痛発現時間は平均1.5時間後で,鎮痛薬は20名全員が服用し,服用時間は平均2.1時間後であった.一方,0.75%R群では術後疼痛発現時間は平均5.9時間後で,鎮痛薬は20名中12名が服用し,服用時間は平均5.7時間後であった.術後1~7時間後では痛みのない被験者数は,2%L群よりも0.75%R群の方が有意に多かった.眼窩下孔伝達麻酔を行った2%L群では,術後疼痛発現時間は平均2.5時間後で,鎮痛薬は20名全員が服用し,服用時間は平均2.5時間後であった.一方,0.75%R群では疼痛発現時間は平均7.3時間後で鎮痛薬は20名中14名が服用し,服用時間は平均6.7時間後であった.術後2~8時間後では痛みのない被験者数は,2%L群よりも0.75%R群の方が有意に多かった.術後の不快症状は,下顎孔伝達麻酔,眼窩下孔伝達麻酔のいずれにおいても,痺れ感の長時間残存が0.75%R群に多かったが,それ以外の合併症や副作用は認めなかった.以上のことから,長時間作用性局所麻酔薬を用いた伝達麻酔は,口腔外科小手術において術後疼痛管理の点から有用であると思われる.}, pages = {108--118}, title = {長時間作用性局所麻酔薬を用いた伝達麻酔の口腔外科小手術後の疼痛管理における有用性について}, volume = {37}, year = {2011} }