@phdthesis{oai:mdu.repo.nii.ac.jp:00002244, author = {Yokota, Makoto and 横田, 誠}, month = {2014-07-22, 2014-07-22}, note = {2013, 甲第159号, application/pdf, 目的:120万人の自閉症者のうちアスペルガー症候群を含めた高機能自閉症の歯科場面における行動特性は明らかにされていない。そこで高機能広汎性発達障害者の歯科治療に対して配慮すべき事項などを検討する目的で、浸潤麻酔下の歯科治療場面での行動を観察し、各診療場面での特性について検討を行った。 対象および方法:調査対象者は平成25年3月から9月までに一般開業医に来院した患者のうち、浸潤麻酔下で歯科治療を行った高機能広汎性発達障害者(高機能自閉症、アスペルガー症候群)の16名である。比較対照は、同様な歯科治療を行った定型発達児40名である。本研究は、松本歯科大学倫理審査等検討委員会の承認(許可番号第0417号)を得たうえで代諾者を選定し、口頭と書面にて説明を行い、承諾を得た者を対象とし実施した。 調査方法は歴年齢、性別、受診回数、浸潤麻酔経験の有無、定期健診経験の有無、抜歯経験の有無を調査した。また、発達年齢は遠城寺式幼児分析的発達検査を用いて算出した。 対象者は、入室から歯科治療を受け退出までの行動をVTRにて撮影した。評価対象は、「①診療台に座る」から「⑫診療台から降りる」の12場面に区分した。各診療場面での判定は「適応」、「やや不適応」、「不適応」に分類して評価した。治療はすべて同一の歯科医師が行い、行動評価は治療に関与しない歯科医師および勤務する歯科衛生士の2名で行った。 分析方法は受診回数の比較は、Studentのt検定を用いた。各診療場面における適応性の比較検討は、Fisherの直接確率計算を用いた。またすべての診療場面において1回以上の「不適応」と評価された者を不適応、「不適応」と評価されずに1回以上「やや不適応」と評価された者をやや不適応、すべて「適応」と評価された者を適応として、高機能広汎性発達障害児群と定型発達児群との比較はχ2検定にて検討した。また、各診療場面の関係性を適応性を従属変数として患者背景、発達年齢、局所麻酔経験、定期検診の有無、受診回数、治療内容の13項目を独立変数として決定木分析を行った。 結果:高機能広汎性発達障害児群は、男児が13名、女児が3名、定型発達児群は、男児が16名、女児が24名であった。歯科診療における適応性は全ての診療場面において高機能広汎性発達障害児群と定型発達児群とは有意差を認めた。 37 決定木分析における適応要因は「診療台に座る」、「開口指示」、「口腔内診査」の適応性に関与する要因は移動運動の発達年齢で、4歳6ヵ月以上であれば適応性を示す可能性が示唆された。また適応性に最優先される診療場面は、「リクライニング位に倒す」、「説明」、「表面麻酔の塗布」、「表面麻酔奏効時間」、「浸潤麻酔」、「効果発現までの待ち時間」、「歯科処置」、「座位への変化」の8場面であった。また、高機能広汎性発達障害児が浸潤麻酔下での歯科治療において87.5%の者が歯科治療を妨げる体動がなく、歯科治療が実施できた。 考察:それぞれの診療場面で診療の妨げにならないが、体動などの行動がみられることが高機能広汎性発達障害の特性である。その行動には、原因があり、見通しが持てない、不安が原因の時は、診療場面ごとに絵カードで説明することや手鏡で口腔内を見せながら診療を進めるなどの対応を個々に行うことが歯科資料を円滑に進めることにつながると思われる。障害が疑われるか確定するに至っていない早期からの関わりは長期にわたって行動や発達を観察することで歯科医院に慣れさせることが可能となることが示された。 今回の調査において、患者の持つ能力を十分に評価し、十分な環境体制作りと関係者の理解を得ることによって地域の開業医での歯科治療は可能と考えられる。}, school = {松本歯科大学}, title = {高機能広汎性発達障害者における歯科診療場面の特性}, year = {} }