@phdthesis{oai:mdu.repo.nii.ac.jp:00002413, author = {Hoshino, Masanori and 星野, 正憲}, month = {2015-07-15, 2015-07-15}, note = {2014, 甲第165号, application/pdf, 【目的】食物の粉砕は機能咬頭間の限局された部位で行われており, この部位は主機能部位とよばれている. この部位は緊密に咬合する部位と一致していると報告され, 成人における主機能部位は多くの場合, 第一大臼歯に存在していることが報告されている. 一方,不正咬合者の第一大臼歯は前後・水平方向に変化しているため正常咬合者と上下顎第一大臼歯の位置関係が異なるが, 主機能部位の詳細は明らかにされていない. そこで,本研究では前後的な顎骨の位置が不正な骨格性下顎前突者の主機能部位を個性正常咬合者と比較検討することとした.【資料及び方法】松本歯科大学病院矯正歯科に来院した骨格性下顎前突者8 名(平均年齢27.5 歳)(平均:SNA 79.2°, SNB 84.5°, ANB -5.3°, overjet -2.1mm, overbite 2.9mm)と個性正常咬合者のボランティア8 名(平均年齢24.6 歳)(平均:SNA 82.7°, SNB 79.5°, ANB +3.2°, overjet 2.3mm,overbite 2.4mm)を対象に,テンポラリーストッピング(ストッピング)を用いて習慣性咀嚼側の主機能部位を決定した.主機能部位の決定は,直径3.4mm 長さ4mm のストッピングを舌上におき,噛みやすい位置で噛むように指示した. その後ストッピングを歯列模型に復元し,主機能部位を決定した.これを,部位を指定せずに左右5 回行い,噛みしめることが多かった方を習慣性咀嚼側とした.さらにストッピングを復元した歯列模型を専用の3D モデリングソフトウェアを用いて3次元化し,ストッピングの位置の座標解析を行った. また,側面セファログラムを用いて角度計測ではSNA,SNB,ANB,FMA,IMPA,Gonial angle,U1toFH,Interincisal angleを,距離計測ではPtm’-A’,Ptm’-B’,Ptm’-6’,Ptm’-6’を計測した.さらに,側面セファログラム上の主機能部位を検討するために, 側面セファログラム上の第二大臼歯遠心面からM(主機能部位)の距離=模型上の主機能部位の座標解析の前後方向の割合× 側面セファログラム上の第二大臼歯歯冠遠心面最後方部から左側中切歯切縁までの距離の式を用いて, 側面セファログラム上の主機能部位の位置(Ptm’- M’)を求め,顎顔面形態との関連を検討した.【結果および考察】正常咬合者の主機能部位は上顎では全て第一大臼歯でみられ, 下顎では8 名中5 名(62.5%)で第一大臼歯にみられ,残りの3 名(37.5%)は第一大臼歯と第二大臼歯の間にみられた.一方,骨格性下顎前突者の主機能部位は,上顎では第一大臼歯に8 名中3 名(37.5%)と一番多く,第一小臼歯2 名(25.0%),第一小臼歯と第二小臼歯の間1 名(12.5%),第一大臼歯と第二大臼歯の間1 名(12.5%),第二大臼歯1 名(12.5%)にみられた. 下顎では下顎第一大臼歯と下顎第二大臼歯が4 名(50%)と最も多くみられ,下顎第一大臼歯,下顎第二大臼歯にもそれぞれ2 名(25%)みられた.このように下顎前突者の主機能部位の位置にはばらつきがあった. これは, 骨格性下顎前突者が個性正常咬合者に比べ咬合関係が緊密でないことによる可能性が推察された.座標解析では骨格性下顎前突者の主機能部位は個性正常咬合者と比較して,上顎では有意に前内側にみられ,下顎では有意に後外側に位置していた. 個性正常咬合者と骨格性下顎前突者の主機能部位の違いは,上下顎の大臼歯の位置関係の違いに起因するものと考えられた.側面セファログラムでは,下顎骨の位置を示すSNB とPtm’-B’,下顎第一大臼歯の位置を示すPtm’-6’, 主機能部位を示すPtm’-M’は骨格性下顎前突で大きい値を示した. すなわち,本研究の骨格性下顎前突者は下顎骨の前方位に伴い下顎第一大臼歯と主機能部位は前方に位置し, 上顎第一大臼歯の位置は正常咬合者と差がないことが示された. これらのことから骨格性下顎前突者の主機能部位が, 上顎では第一大臼歯にみられ下顎では第一大臼歯と第二大臼歯に多くみられるのは下顎の前方位が関連していることが示唆された.【結論】1. 個性正常咬合者の主機能部位は,主として上下顎第一大臼歯にみられた.2. 骨格性下顎前突者の主機能部位は,上顎では上顎第一大臼歯に多く見られたが,その位置にはばらつきがあった. また下顎では, 下顎第一大臼歯と第二大臼歯の間に多く見られたがその位置には, ばらつきがあった.3. 骨格性下顎前突者の歯列内の主機能部位は個性正常咬合者と比較して,上顎では有意に前内方にみられ,下顎では有意に後外方に位置していた.4. 側面セファログラムでは,SNB とPtm’-B’, Ptm’-6’, Ptm’-M’は下顎前突で正常咬合者に比べ有意に大きい値を示し,骨格性下顎前突者の主機能部位が下顎歯列の後方でみられるのは, 下顎骨の前方位によることが示された.}, school = {松本歯科大学}, title = {骨格性下顎前突者における主機能部位}, year = {} }