@phdthesis{oai:mdu.repo.nii.ac.jp:00002420, author = {Tokuda, Yoshihiko and 徳田, 吉彦}, month = {2015-07-15, 2015-07-15}, note = {2014, 甲第170号, application/pdf, 歯髄組織は主として神経堤由来の外胚葉性間葉からなっている。また、歯髄組織は中胚葉性間葉細胞も存在する為、骨芽細胞、軟骨細胞及び筋細胞、筋芽細胞などへの多分化能も有している。このように、歯髄細胞は様々な細胞へ分化誘導を制御できる可能性を有し、かつ脱落乳歯や抜去智歯、歯科矯正治療における便宜抜去歯などから容易に採取可能であるため、再生医療の材料として有望な細胞である。マウスを用いた研究で、歯髄細胞は、骨芽細胞に較べ石灰化の指標であるアルカリホスファターゼ (ALP) 活性が著しく強く、また培養歯髄細胞をマウス筋膜下に移植し3 週後に摘出したin vivo 実験において、マウス歯髄細胞移植部位に硬組織様構造物が形成された報告がある。そこで今回、ヒト歯髄細胞を用いた自家移植による再生医療の実現を最終目標とし、(1) ヒト歯髄細胞の特異形質を決定する遺伝子の同定、(2)ヒト歯髄細胞の石灰化能の検討、(3)ヒト歯髄細胞移植による硬組織再生能の検討を行った。歯髄細胞が有する特異形質の同定を目的として、まず矯正治療中の便宜抜去歯からヒト歯髄細胞を抽出した。その後、ヒト歯髄細胞及びヒト骨髄由来間葉細胞からmRNA を抽出し、マイクロアレイ解析を行った。総括的遺伝子発現パターンの比較では、ヒト歯髄細胞とヒト骨髄由来間葉細胞は高い相関を示し、遺伝子発現の多くは相似していることが示された。マイクロアレイ解析において、ヒト歯髄細胞とヒト骨髄間葉細胞間で、石灰化調節因子群の中で特に顕著な差が認められたものとして、石灰化促進因子としてALP と骨誘導因子 (Bone Morphogenetic Protein 2, BMP2) 、石灰化抑制因子としてピロリン酸合成酵素 (ENPP-1) とマトリックスグラタンパク (MGP) を認めた。ヒト歯髄細胞はヒト骨髄間葉細胞に較べALP ではSample1 は1.95 倍でSample5 は3.92 倍、BMP2ではSample1 は2.63 倍でSample5 は3.36 倍強い発現量が認められた。一方、ヒト歯髄細胞はヒト骨髄間葉細胞に較べENPP1 ではSample1 は0.35 倍でSample5 は0.33 倍、MGPではSample1 は0.031 倍でSample5 は0.034 倍の発現しかなく、ヒト歯髄細胞の石灰化抑制因子の発現は、ヒト骨髄間葉細胞に較べ極端に低いことが示された。また、RealTime PCR 法を用いた解析では、ヒト歯髄細胞はヒト骨髄間葉細胞と較べALP ではSample1 は25.61 倍でSample5 は65.79 倍、BMP2 ではSample1 は71.74 倍でSample5 は80.47 倍の発現量を示し、マイクロアレイ解析の結果と一致した。ヒト歯髄細胞は、ヒト骨髄由来間葉細胞に較べALP 活性が強かった。ALP 活性は培養初期から強く、2 週目でピークに達していた。また、BMP2 非存在下培養条件でのヒト歯髄細胞は、ヒト骨髄由来間葉細胞に較べ2 週目から顕著に石灰化物の析出 (アリザリンレッド染色) が確認され、ヒト歯髄細胞は著しく高い石灰化能を有することが示された。硬組織再生能の検討の為、培養ヒト歯髄細胞を免疫不全マウスの背側筋膜下に移植し、2 ヶ月後摘出した。軟X 線写真とCT 画像において、ヒト歯髄細胞移植部位に石灰化物が認められた。石灰化に寄与した細胞の起源を明らかにする為、ヒト由来抗原に対する特異抗体 (抗ヒトビメンチン抗体) にて免疫染色に供した。石灰化物部位においてヒト由来細胞が確認されたことから、石灰化物はヒト歯髄細胞に由来するものであることが確認できた。以上のヒト歯髄細胞を用いたin vitro 及びin vivo 実験の結果より、ヒト歯髄細胞は石灰化に非常に有利な形質を有する細胞であり、硬組織再生医療に臨床応用できる可能性を有する細胞であることが示唆された。}, school = {松本歯科大学}, title = {ヒト歯髄細胞の分子生物学的解析}, year = {} }