@phdthesis{oai:mdu.repo.nii.ac.jp:00002506, author = {Iwai, Yukiko and 岩井, 由紀子}, month = {2016-06-15, 2016-06-15}, note = {2015, 甲第176号, application/pdf, 【背景と目的】現在,国際糖尿病連合によると,世界では3億8,670万人の糖尿病患者がいるといわれている.また,2012年の国民健康・栄養調査結果によると,日本人で糖尿病が強く疑われる者は950万人,さらに糖尿病の可能性を否定できない者が1,100万人いると報告されている.このように,糖尿病は日本においても非常に罹患率の高い疾患であり,歯科医院に通院中の患者の中にも多くの糖尿病罹患者が存在することが予想される.すでに,歯周病は,網膜症,腎症,神経障害,末梢血管障害,大血管障害に続く糖尿病の第6番目の合併症とされている.20年ほど前より,ペリオドンタルメディシンという概念のもと,歯周病と糖尿病との関連性が疫学研究を中心に数多く報告されているが,日本人における両疾患の関連性に関する統一見解,あるいは詳細なデータはほとんど存在しない.その理由の1つに,歯周病を評価する統一基準がなかったことがあげられる.そこで,2011年に特定非営利活動法人日本歯周病学会ペリオドンタルメディシン委員会は,より簡便で,医科と情報共有が可能な分類であることを目標とし,歯周病の臨床指標である歯槽骨吸収率と,炎症マーカーである高感度C-reactive protein (CRP)値を用いた歯周病の重症度別分類を作成した.本研究では,この重症度別分類に用いられ,指標となっている歯槽骨吸収率,および高感度CRP値と,糖尿病の関係を明らかにすることを目的とした.さらに,歯槽骨吸収率および高感度CRP値から糖尿病を予測しうるかどうかも検討した.【材料と方法】研究には,松本歯科大学病院健診センターに人間ドック,および同大学病院歯周病科を受診した糖尿病罹患者50名を含む患者374人(男性253名,女性121名)を対象とし,すべての被験者の撮影されたパノラマエックス線写真,あるいはデンタルエックス線写真から,歯槽骨吸収率を求めた.また,末梢血を採取し,高感度CRP値の測定を行った.その後,上述の重症度別分類を用いて,各々の被験者における歯周病の重症度程度を分類した.本研究で用いる重症度別分類とは,歯槽骨吸収率が25%以下を臨床的軽度:Ⅰ,25%以上を中等度:Ⅱ,35%以上を重度:Ⅲとし,高感度CRP値が440ng/ml以下を炎症度軽度:A,440ng/ml以上を中等度:B,1,020ng/ml以上を重度:Cとして,それぞれ3段階に分け,9つの群に分類するものである.解析方法は,性別,年齢,Body Mass Index(BMI),喫煙の既往,現在歯数,歯槽骨吸収率(3分類),高感度CRP値(3分類)を独立変数とし,糖尿病の有無を従属変数とするロジスティック回帰分析(変数増加法)により評価した.さらに,歯槽骨吸収率および高感度CRP値により,糖尿病のスクリーニングができるか否かをROC(Receiver Operating Characteristic curve;受信者動作特性曲線)解析で検討した.【結果】解析結果より,糖尿病の有無に関連する因子は,年齢,BMI,歯槽骨吸収率,高感度CRP値であることが判明した.また,歯槽骨吸収率および高感度CRP値が高いほど糖尿病のリスクが高くなることが分かった.そこでROC解析を行ったところ,歯槽骨吸収率,および高感度CRP値と糖尿病のArea under the Receiver Operatorating Characteristic curve (AUROC)値は各々,0.76と0.71であり,歯槽骨吸収率と高感度CRP値が糖尿病のスクリーニング指標として有用であることが判明した.【結論】本研究により,糖尿病の有無に関連する因子は年齢,BMI,歯槽骨吸収率,高感度CRP値であることが判明した.さらに歯槽骨吸収率,および高感度CRP値が糖尿病のスクリーニング指標として有用であることがわかり,この事から,歯科受診時のエックス線写真撮影,あるいは健診時の高感度CRP値を測定することで,糖尿病のスクリーニングができ,早期発見,早期治療につながる可能性が示唆された.}, school = {松本歯科大学}, title = {歯周病の重症度別分類を用いた歯周病と糖尿病の関係解析}, year = {} }