@phdthesis{oai:mdu.repo.nii.ac.jp:00002525, author = {Okamoto, Nozomu and 岡本, 望}, month = {2016-06-15, 2016-06-15}, note = {2015, 甲第195号, application/pdf, TRPV1(transient receptor potential cation channel subfamily V member 1) は熱、カプサイシン、酸等によって開く陽イオンチャネルであり、ヒトを含めた多くの哺乳動物では、熱痛覚と辛味はいずれも末梢感覚神経に発現するTRPV1 受容体によって認識される。この分子については、これまでの研究から温度閾値が約43℃であること、カプサイシンの濃度閾値が約0.6 μM であること、さらにその結合部位といった分子特性が明らかにされている。しかしこのような明確な分子特性に反して、日常生活におけるヒトの熱感覚受容および辛味受容の感度には明らかな個人差が存在する。本研究では、熱痛覚受容とカプサイシン受容の個人差とTRPV1分子の関連を解明することを目的とした。被験者30名に対し、熱や辛味に対する自覚症状に関するアンケート、48℃に熱したホットプレートに手を当てて、熱痛覚による逃避までの潜時を測定する熱痛覚感度テスト、濃度0 μg/ml から0.15μg/ml までのカプサイシン溶液を低濃度から順に口に含み、カプサイシン感度閾値を明らかにするカプサイシン感度テストを行った。さらに被験者の口腔粘膜からゲノムを抽出してTRPV1 ゲノム配列を解析し、各テスト結果との相関を調べた。これにより、本人の自覚や嗜好と実際の感度の間には相関がないことが明らかになった。さらに熱痛覚感度は最小2.1秒、最大25 秒、平均7.23 秒±5.52、カプサイシン感度は最小0.05 μg/ml、最大0.15 μg/ml、平均0.088 μg/ml±0.027 とそれぞれ大きな個人差がみられたが、同じ受容体によって伝えられるはず二つの感度の間にも明確な相関はみられなかった。TRPV1 領域約49 kbp の中でもエクソンを中心に合計約12 kbp の配列を調べたゲノム配列解析からは新規のものを含めた多数のSNP が検出され、それらのうちのいくつかは熱痛覚感度との相関がみられたが、カプサイシン感度との相関はみられなかった。本研究からは、熱痛覚感度とカプサイシン感度は独立した認識システムを持つこと及び熱痛覚感度のほうがゲノム配列の影響を受けている可能性が高いことが明らかになった。カプサイシンに対する感覚により強く影響を与えていると思われるゲノム配列非依存性の要因については今後のさらなる研究が必要とされる。}, school = {松本歯科大学}, title = {TRPV1 の塩基配列と感覚受容の個人差の関連についての研究}, year = {} }