@phdthesis{oai:mdu.repo.nii.ac.jp:00002660, author = {OZAKI, YUKI and 尾﨑, 友輝}, month = {2017-05-15, 2017-05-15}, note = {2016, 甲第198号, application/pdf, 歯周病は,Porphyromonas gingivalis菌など歯周病細菌の感染により発症する慢性の炎症性疾患である。種々の炎症性サイトカインの刺激により,骨芽細胞はReceptor activator of nuclear factor κ-B ligand (RANKL) を発現する。RANKLは破骨細胞前駆細胞が発現する受容体Receptor activator of nuclear factor κ-B ligand (RANK) と結合して,破骨細胞の分化および骨吸収活性を促進して歯槽骨吸収を引き起こす.環状ペプチドであるWP9QY (W9) は,RANKと構造的相同性を有し, RANKLに結合してRANKL-RANKシグナルを阻害する。近年,W9は骨吸収を抑制する作用とともに,骨形成を促進する作用も有することが報告された。一方,RANKLのデコイ受容体であるOsteoprotegerin (OPG) は,RANKL-RANKシグナルを遮断することで,骨吸収を抑制する。そのため,OPG遺伝子欠損 (OPG-/-) マウスは骨吸収が亢進して,重度の歯槽骨吸収を起こす。そこで今回,我々はOPG-/- マウスにW9を投与して,吸収された歯槽骨に対する修復効果を検討した。歯槽骨吸収が惹起された12週齢のOPG-/- マウスに,W9(10mg/kg) を1日3回5日間,皮下注射にて投与した。骨吸収抑制群として,OPG-/- マウスに骨吸収抑制薬Bisphosphonate の一種であるRisedronate(0.1mg/kg) を1日1回3日間,皮下注射にて投与した。対照群として,12週齢の野生型マウス (Wild-type,WT) またはOPG-/- マウスに生理食塩水を1日3回5日間,皮下注射にて投与した。投与開始から6日目に歯槽骨を採取し,以下の解析を行った。マイクロCT撮影画像より,歯槽骨吸収量を測定した。WTマウスと比較して, OPG-/- マウスにおいて歯槽骨吸収の顕著な増加が観察された。W9投与およびRisedronate 投与は,歯槽骨吸収量を有意に減少させた。第一臼歯の根間中隔の歯槽骨の骨形態計測より,OPG-/- マウスにおいて破骨細胞数の有意な増加が観察された。W9投与およびRisedronate投与は,破骨細胞数を有意に減少させた。WTマウスに比較して,OPG-/- マウスにおいて骨芽細胞数の有意な増加が観察された。W9投与は,骨芽細胞数を有意に増加させたが,Risedronate投与は変化させなかった。骨芽細胞の分化を評価するため,Osterix およびAl kaline phosphatase(ALP)の免疫組織化学染色を行った。OPG-/- マウスにおいて,Osterix陽性およびALP陽性の骨芽細胞数の増加が観察された。W9投与は,Osterix陽性およびALP陽性の骨芽細胞数を増加させたが,Risedronate投与はそれを減少させた。骨芽細胞の分化を誘導するWnt/ β-cate ninシグナルへの影響を評価するため,β-cateninおよびWnt/β-cateninシグナルを抑制する因子であるSclerostinの免疫組織化学染色を行った。OPG-/- マウスにおいて,β-catenin陽性の骨芽細胞数の増加が観察された。W9投与は,β-catenin陽性の骨芽細胞数を増加させたが,Risedronate投与はそれを減少させた。OPG-/- マウスにおいて,Sclerostin陽性の骨細胞数の有意な減少が観察された。W9投与はSclerostin陽性骨細胞数を増加させなかったが,Risedronate投与はそれを有意に増加させた。以上の結果より,W9はWnt /β-cateninシグナルを誘導して骨芽細胞分化を促進させることが示された。W9は,歯槽骨吸収抑制作用とともに骨形成促進作用を有する新規の歯周病治療薬となり得ることが示された。}, school = {松本歯科大学}, title = {歯槽骨吸収モデルマウスに対するW9ペプチドの歯槽骨修復効果}, year = {} }