{"created":"2023-06-19T07:39:01.850910+00:00","id":2684,"links":{},"metadata":{"_buckets":{"deposit":"79ebe7e3-7c7b-434a-b2ed-0c5b88c2832b"},"_deposit":{"created_by":3,"id":"2684","owners":[3],"pid":{"revision_id":0,"type":"depid","value":"2684"},"status":"published"},"_oai":{"id":"oai:mdu.repo.nii.ac.jp:00002684","sets":["170:367"]},"author_link":["3751","3752"],"item_10006_alternative_title_1":{"attribute_name":"その他(別言語等)のタイトル","attribute_value_mlt":[{"subitem_alternative_title":"Property of voluntary control of lip-closing force in elderly"}]},"item_10006_creator_3":{"attribute_name":"著者別名","attribute_type":"creator","attribute_value_mlt":[{"creatorNames":[{"creatorName":"Hijiya, 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口唇は様々な口腔機能を営む上で顎顔面領域の重要な組織である。このうち口唇閉鎖機能は咀嚼、嚥下、発音、表情による感情の表出などに不可欠な機能といえる。これは、機能減退期を迎えた高齢者にとっても非常に重要であるといえる。近年では口腔の健康の維持・増進のため口腔機能低下予防の分野が注目を集めており、オーラル・フレイルなどの新たな概念が提唱されている。オーラル・フレイルとは、歯科口腔機能における軽微な衰えを指し、適切な対応策を取ることによって重篤な機能低下に陥ることを回避できる可逆的な状態である。早期からの包括的予防が求められるなか口腔機能の維持・向上は必要不可欠である。しかしながら、口唇閉鎖力に対する加齢の影響については未だ明らかにされていないのが現状である。そこで、本研究では、口唇機能の加齢による影響を調べるために、多方位口唇閉鎖力測定装置を用いて最大努力での口唇閉鎖力を測定し、さらに、Visual feedbackを用いた方向別口唇閉鎖力の随意的な調節能力についても健常成人の結果と比較・検討することとした。  2.方法 被験者は、65歳以上の健常高齢男性20名(平均年齢:69.6±4.2歳)を本研究対象とした。また、対象群として20歳以上の健常成人20名(平均年齢25.1±3.8歳)を研究対象とした。本研究では、除外基準を、1)overjetが0mm以下、overbiteが0mm以下もしくは5mm以上、2)義歯装着者3)全身疾患(脳性まひ、顔面麻痺などの神経疾患)の症状を認める、もしくは既往歴を認める者とした。口唇閉鎖力の測定には多方位口唇閉鎖力測定装置を用いて測定を行った。多方位口唇力測定装置と被験者自身の発揮する口唇閉鎖力の大きさを視覚的に見ることができる ビジュアルフィードバック用のサブディスプレイを用いた。最大口唇閉鎖力の測定後、上下2方向と斜め4方向(左上方向,左下方向,右上方向,右下方向)の 6方向それぞれの口唇閉鎖調節能力を測定した。これはディスプレイ上に最大口唇閉鎖力の50%の値を目標として表示し、自らの発揮する口唇閉鎖力を目標に一致するように調 節することを指示し、行った.また目標値から± 8%(一定)の範囲に入った時間の割合を正確率として口唇閉鎖調節能力を表した。被験者にはサブディスプレイ上に表示された目標に5 秒間維持することを指示し,その測定を連続で 3回行い、正確率を算出した。  3.結果及び考察 最大口唇閉鎖力の総合力は高齢者が成人に比べ有意に低い結果となった。高齢者および成人それぞれにおける6方向別の最大口唇閉鎖力は、上下方向の最大口唇閉鎖力の値が斜め4方向に比べて高い値を示し、次いで斜め4方向の最大口唇閉鎖力が高い値を示した。また6方向の最大口唇閉鎖力では、高齢者において上方向と左上方向、右上方向、左下方向、右下方向の各4方向において、下方向と左上方向、右上方向、左下方向、右下方向の各4方向との間に有意な差があることが示された。また、同様の結果が成人でも認められた。高齢者、成人それぞれにおいて上下方向の最大口唇閉鎖力は斜め4方向の最大口唇閉鎖力よりも有意に高い値を示した。最大口唇閉鎖力を6方向別に高齢者と成人の間で比較すると、高齢者の最大口唇閉鎖力は成人の最大口唇閉鎖力よりも左下、下、右下の3方向において有意に低い値を示した。正確率の方向別の相違を若年成人と高齢者それぞれにおいて比較すると、高齢者では方向による有意な相違が認められなかった。しかし、成人では有意な相違が認められ、上方向が左上方向より有意に大きな値を示した。高齢者・成人間において方向別の正確率を6方向別に比較すると、高齢者の正確率は成人の正確率よりも上方向、左上方向、右上方向、左下方向、右下方向の5方向において有意に低い値を示した。本研究結果から、高齢者においては、方向別最大口唇閉鎖力は下唇方向で弱くなり、全体的に口唇閉鎖調節能力が低下することが明らかとなった。このような加齢による変化が口唇機能の低下に直接結びついているかは不明であるが、この変化が大きくなることによって口唇機能低下につながるということは想像に難くない。現在、オーラル・フレイルと呼ばれる可逆的な口腔機能低下症を評価することが必要であると提唱されている。今後、口唇閉鎖調節能力と滑舌低下、食べこぼしあるいは噛めない食品の数などとの関連を調べる必要がある。さらに、虚弱高齢者でADLの低下と口唇閉鎖力の低下に関連があると報告されていることから、ADLとの関連性を調査することの必要性を考えている。","subitem_description_type":"Abstract"}]},"item_10006_dissertation_number_22":{"attribute_name":"学位授与番号","attribute_value_mlt":[{"subitem_dissertationnumber":"甲第204号"}]},"item_10006_version_type_18":{"attribute_name":"著者版フラグ","attribute_value_mlt":[{"subitem_version_resource":"http://purl.org/coar/version/c_970fb48d4fbd8a85","subitem_version_type":"VoR"}]},"item_access_right":{"attribute_name":"アクセス権","attribute_value_mlt":[{"subitem_access_right":"open 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