@phdthesis{oai:mdu.repo.nii.ac.jp:00002928, author = {Ebana, Teruo and Yokoi, Yukiko and Kawamura, Jun and Arai, Atsushi and Okafuji, Norimasa and 江花, 照夫 and 横井, 由紀子 and 河村, 純 and 荒井, 敦 and 岡藤, 範正}, month = {}, note = {2020, 甲第229号, application/pdf, 目的上顎歯列弓の狭窄を伴う不正咬合症例では,上顎歯列の側方拡大が行なわれ,緩徐拡大装置であるクワドヘリックスが臨床に広く用いられている.今回の研究では,有限要素法を用いてクワドへリックス装置の作用により歯の移動する過程をシミュレーションし,側方拡大の様子を力学的側面から検討した.材料と方法クワドヘリックスを上顎歯列に装着した場合,歯の移動を 有限要素法によってシミュレーションした.歯根膜は線形弾性体の移動し歯槽骨と歯冠自体は剛体として移動しないと仮定した.歯槽窩に一致する歯根膜外表面の節点を拘束点と定め剛体化した.それらを歯の移動に伴って移動するため,拘束点はその都度,変わる.クワドへリックスは,線形弾性体として,3次元ビーム要素で分割し,そのヤング率を200 GPaとした.クワドヘリックスはSTロックによって大臼歯に完全に固定されていると仮定した.そのため,クワドへリックスと大臼歯の歯冠を剛体ビームで連結し,歯冠表面とクワドへリックスには,摩擦係数を0.15として接触要素を設定した.クワドへリックスを活性化する方法は,平行または扇状に広げて活性化する方法の2種類とし,それぞれ左右対称に両側と片側のみ活性化させる場合の計4種類(両側を平行に活性化,両側を扇状に活性化,片側を平行に活性化,片側を扇状に活性化)とした. クワドへリックスを歯列に装着し,最初に活性化直後の力系を解析し,その後に経時的な矯正学的歯の移動についてもシミュレーションした.尚,繰返し計算ごとに歯に作用する力系を更新した.このモデルにおける歯列の年齢は,成人の代表的な歯列を想定しておこなっている.結果両側を平行に活性化した時のクワドヘリックスのモーメントおよび曲げ応力は,左右のアームを平行に片側1.9mm,両側で3.8 mm広げて活性化させたクワドヘリックスを歯列に装着した場合, STロックから作用する力とモーメントは,舌側方向に2.7 N,10 N・mmと20 N・mmであった.大臼歯には,これらと大きさが同じで反対方向の力とモーメントが作用した.応力は,正中とヘリックスで大きくなった.その大きさは最大400 MPa程度であり,矯正用ステンレス鋼ワイヤーの降伏応力(約1500 MPa)の半分以下によりクワドへリックスが弾性範囲にあることが確認できた.クワドへリックスの形状は活性化した装着前の形状となり,大臼歯は頬側方向に歯体移動した.犬歯と小臼歯は傾斜移動し歯根中央やや上を中心にして回転し,根尖が舌側へ,歯冠が頬側へ移動した.両側を平行に活性化した場合は平行に 両側を扇形に活性化した場合も歯列は扇状に拡大した.どちらの場合も大臼歯は,ほぼ歯体移動し,犬歯と小臼歯は歯冠が頬側に傾斜移動した.考察.結論有限要素法による歯の移動シミュレーションにおいて,大臼歯が頬側方向に歯体移動したことについて,クワドヘリックスは,STロックによって大臼歯に完全に固定されていると仮定したため,回転が拘束され,頬側傾斜を防ぐモーメントの大きさは,頬側方向の力の10倍程度のモーメント・力(M/F)比が生じたため,歯体移動したと考えられた.犬歯と小臼歯では,歯根中央のやや根尖方向の部位を中心に頬側傾斜したことについて,犬歯と小臼歯はクワドへリックスに固定されずアームと接触するのみであり,回転を拘束するようなモーメントが作用しないため,傾斜移動が生じたと考えられた.クワドへリックスを片側のみ非対称に活性化させた場合,片側を平行および扇状に活性化したどちらの場合でも,大臼歯の作用する力は,左右で非対称となったことについて活性化側の犬歯,小臼歯および大臼歯への矯正力が非活性化側の大臼歯に集約したためと考えられた.本研究から有限要素法モデルによるシミュレーションは,クワドヘリックスによる経時的な歯の移動状態が予測でき,活性化の違いによる歯の移動を明らかにしたことから,矯正歯科臨床への有効性が示唆された.}, school = {松本歯科大学}, title = {クワドヘリックスにおける歯の移動メカニズムー有限要素法シミュレーションー}, year = {2019} }