@phdthesis{oai:mdu.repo.nii.ac.jp:00002977, author = {Nahomi, Matsumura and 松村, 奈穂美}, month = {2022-01-06, 2022-01-06}, note = {2021, 甲第240号, application/pdf, 【目的】小児の永久歯の先天欠如に対する治療の選択肢として,歯の移植が行われている.しかしながら,骨幅の狭い歯槽骨への歯の移植は困難であるため,適応となる症例が限られる点が問題であった.近年,培養細胞,担体,生理活性物質等を組み合わせることで組織を再生させるティッシュエンジニアリングの手法が注目されている.そこで本研究では,ティッシュエンジニアリングの手法を歯の移植に併用することで移植歯周囲に骨を形成させ,骨が狭小な歯槽部への歯の移植を可能にする方法について検討を行った.【材料と方法】3週齢雄性C57BL/6Jマウスを麻酔薬の過量投与により安楽死させた後,上顎第一,第二臼歯の抜去を行った.大腿骨と脛骨の両端を切断し,フラッシュアウトにて骨髄細胞を採取した後,密度勾配遠心法にて単核球(MNC)を採取した.次に皮質骨を細切し,コラゲナーゼにて酵素処理を行った後,皮質骨由来細胞(CBDC)を採取した.皮質骨由来細胞は,2継代後にスフェロイド形成用ディッシュへ播種し,24時間後にスフェロイドを回収した.スフェロイドは使用時まで凍結保存した.細胞の担体として,アテロコラーゲンスポンジを整形して用いた.CBDC群(CBDCスフェロイド+アテロコラーゲンスポンジ+歯),MNC群(MNC+アテロコラーゲンスポンジ+歯),Collagen群(アテロコラーゲンスポンジ+歯)およびTooth群(歯のみ)の4群を設定し,ペントバルビタールによる全身麻酔下で,それぞれを6~8週齢雄性SCIDマウス背部皮下へと移植した.4週後に移植物を摘出し,中性ホルマリンにて固定後,μCTと分析用ソフトウェアを用いて新生骨の解析を行った.撮影後に移植物を脱灰,脱水し,パラフィンに包埋した.薄切したサンプルは,H-E染色,マッソントリクローム染色,TRAP染色およびSP7に対する免疫染色により評価した.【結果】4群とも骨形成が認められたが,新生骨量はCBDC群が他の3群と比較して有意に多かった.4群すべてにおいて根管中隔に新生骨が認められた.MNC群,Collagen群,Toothでは歯根外側への骨形成は僅かであったのに対し,CBDC群では歯根外側に多くの骨形成を認め,一部の移植物では新生骨は歯冠周囲に及んでいた.骨密度(BV/TV)は各群間で有意差が見られなかったが,CBDC群ではTooth群,Collagen群と比較して骨梁数(Tb.N)が少なく,骨梁間隙(Tb.Sp), 骨梁中心距離(Tb.Spac)は低値であったことから,CBDC群における新生骨の骨梁構造は疎であると考えられた.HE染色では,4群とも幼弱な骨形成が見られ,新生骨と歯根の間には歯根膜様の線維性組織が介在していた.しかしながら,根尖部付近ではセメント質の肥大と置換性骨吸収がみられた.マッソントリクローム染色では,4群とも新生骨と歯根との間の線維は濃染する膠原線維であり,歯根膜様の構造が見られた.【考察】CBDC群では,MNC群,Collagen群,Tooth群と比較して新生骨量が有意に増加しており,新生骨は根幹中隔以外に歯根外側にも認められた.この結果から,CBDCスフェロイドによるティッシュエンジニアリングを併用することで,歯の移植と同時に骨増生が得られる可能性が示された.一方,単離されたMNCでは明らかな骨形成は認められなかったことから,併用する細胞には高い骨形成能が必要と考えられた.新生骨と歯根との間には歯根膜様の膠原線維が存在し,ティッシュエンジニアリングによる骨形成においても歯根膜は維持されることが示された.しかしながら,歯根尖付近ではセメント質の過形成や置換性骨吸収も見られた事から,根尖部での骨性癒着や歯根吸収が起こる可能性には注意が必要と考えられた.本研究では異所性の移植モデルを用いているため,移植歯に対する機能負荷の影響について検討することはできなかった.今後は同所性の移植モデルを用いて,さらに機能負荷の影響や新生骨の長期予後についても検討を行う必要があると考えられた.}, school = {松本歯科大学}, title = {皮質骨由来細胞によるティッシュエンジニアリングは 移植歯周囲への骨形成を促進する}, year = {} }