@phdthesis{oai:mdu.repo.nii.ac.jp:00003004, author = {Yamada, Saori and 山田, 沙織}, month = {2022-06-20, 2022-06-20}, note = {2021, 甲第245号, application/pdf, [緒言]近年、フレイル(虚弱)が問題視されており、負のスパイラルから要介護状態へつながってゆく危険性がある。フレイルへ至るプロセスに歯と口腔の健康が深く関わるとする概念1)がある。歯、口腔の管理がおろそかになると咀嚼機能の低下、嚥下機能の低下などから栄養不足になり、身体的な健康が障害を受ける。また舌運動低下、歯の喪失に伴う顔貌の変化などによって、滑舌や表情が曇り、人との交流も億劫になるなどの社会的な健康も危ぶまれている。さらに、心理面においても不安定になることから健康を損ねる。フレイルは、健康と機能障害の中間にあり、可逆的であることが特徴の一つである。プレフレイルやフレイル状態で、口腔機能を維持・向上する必要性がある。また、口腔機能のひとつである口唇閉鎖機能は哺乳、捕食、咀嚼、嚥下、発音、表情による感情の表出などの様々な口腔機能を営む上で重要な役割を持つことが知られている。口唇トレーニングが口腔機能維持に役立つ可能性がある。これまでに口唇の器具を用いたトレーニングには口唇閉鎖力や口唇から歯列に向けての力を増強させるものが行われている2-7)。さらに筋電図を分析した基礎的な研究により、トレーニング時の負荷量やその頻度により口唇閉鎖力に対する効果は異なることが報告されている8)。つまり、瞬発的な力の増強と持久的な力の増強のトレーニング法に相違があることが示唆されている。このことから、口唇機能の増強にどのような負荷をかけるべきかを検討することは重要であると考えられる。多方位口唇閉鎖力測定装置9-11)をもとに、口唇閉鎖力をディスプレイ上に表示して、ビジュアルフィードバックを用いた的あてゲームが松本歯科大学で開発中であり、このゲームを週に3回、4週間継続することで、最大口唇閉鎖力の増強や口唇閉鎖調節能力の向上が明らかにされている12)。高齢社会を迎えた現代では、トレーニングに対する取り組みやすさや継続しやすさは重要な要素のひとつであり、ゲーム感覚で行えるトレーニングはこれらの点に優位性が高いと考えられる。骨格筋のトレーニングには、持久力を高めるためのトレーニングと筋が発揮する力(筋力)を高めるためのトレーニングが存在する13)。筋力トレーニングの主な原則は、規則性、過負荷、および進行(強度、繰り返し回数、および頻度の観点から)である14)。筋力を高めるためのトレーニングには、筋原線維タンパク質の合成と筋肥大を刺激するため、短時間(<60秒)の強い収縮活動と重い抵抗負荷が必要である15)。あるひとつのトレーニングセッションは、急性疲労を引き起こし、繰り返し行うトレーニング中に神経筋系の適応につながると、一般的に言われている。つまり、疲労と回復を繰り返すことで、筋力の増強が引き起こされると考えられている14)。一方、筋疲労は、表面筋電図のパワースペクトルの振幅と平均周波数の変化に反映され、この方法でテストされたすべての筋肉グループの平均周波数は減少する16,17)。さらに、波形の振幅と周波数の変化は疲労の結果と相関し、信号の振幅が増加すると、平均周波数は減少することが示されている16-18)。そこで、本研究では、松本歯科大学で開発中の口唇閉鎖トレーニングの継続時間による口輪筋および舌骨上筋群の疲労に対する効果を調べるために、実験1を行った。筋疲労の定量的な評価には、一定の収縮を示す筋活動中の筋電図を周波数分析した結果を用いた。運動が引き起こすエネルギー代謝の改善によって、さまざまな健康上のメリットが達成される19)。これらのメリットは、筋肥大と脂肪量の減少によって引き起こされる体組成の改善を通じて長期的に持続すると言われている20-25)。口唇トレーニングを行うことで、口唇閉鎖に関わる筋の周囲の代謝が上がり、エネルギー消費を行うと考えると、口周囲の脂肪量の減少が起こり、顎下部の形態変化を起こす可能性がある。このことを検証するために、実験2を行った。筋疲労を引き起こすゲーム感覚で行う口唇トレーニングを4週間継続し、顔面形態を三次元的に解析して、顎下部の形態変化を調べた。合わせて、最大口唇閉鎖力およびゲームの巧みさを表す的あて回数を同時に記録した。}, school = {松本歯科大学}, title = {口唇トレーニング前後における口腔周囲筋の筋疲労と顎下部の形態変化}, year = {} }