@phdthesis{oai:mdu.repo.nii.ac.jp:00003023, author = {Hatori, Haruka and 羽鳥, 遼}, month = {2023-05-01, 2023-05-01}, note = {2022, 甲第253号, application/pdf, [要旨]現在、日本の骨粗鬆症患者は推定1280万人とされており、未だ増加の一途をたどっている。骨粗鬆症性骨折は単に生活機能を低下させるのみならず、死亡率を上昇させる。骨粗鬆症の発症予防として、若年期に高い最大骨量を獲得することが必要である。骨量には、性、年齢、体格、遺伝および生活習慣といった様々な因子が関係している。過去の研究で、高齢者において咀嚼能力が低いほど骨量が低くなることや、咀嚼能力が高い群と低い群で食物摂取や食嗜好に違いが見られたことから、咀嚼能力が栄養摂取に関わり、結果、骨量に反映すると考えられる。若年者においても、骨格性下顎前突症をはじめとする顎変形症患者は、咀嚼能力が正常咬合者に比べ著しく低いことが明らかにされている。そこで本研究では、若年成人女性で、正常咬合群と不正咬合群で骨密度に差があるのか、および体格や栄養状態が骨密度に影響を与えているかについて検証した。正常咬合群は、松本歯科大学歯学部および衛生学院の生徒からオーバージェット・オーバーバイトともに+2.0mm~+4.0mmで、アーチレングスディスクレパンシーが-4.0mm以下の者45名を対象とし、不正咬合群は、松本歯科大学病院矯正歯科を受診した患者のうち顎骨離断手術併用の矯正治療の適応となった女性顎変形症患者48名を対象とした。本対象者に対し、踵骨超音波法により骨密度を測定し、食物摂取頻度アンケート調査に回答してもらった。2群での骨密度、体格指数(body mass index : BMI)、アンケート項目および栄養素換算量の差はt-検定により解析を行った。栄養素換算量は上西らの方法に従い算定した。BMIは四分位階層に分類し、18.90≦BMI≦20.81を基準とした。骨密度と咬合状態および栄養状態の関連を調べるために、骨密度の対数変換値を目的変数とし、咬合状態、BMIおよび栄養素換算量を従属変数とする重回帰分析を行った。各群での骨密度を規定する因子についても同様に評価した。重回帰分析にはAIC値(赤池情報量基準)を用いた。不正咬合群は正常咬合群に比べ、骨密度が0.7%低い傾向にあった。両群全体と正常咬合群において、ビタミンC摂取量増加に伴い骨密度は有意に増加し、マグネシウム摂取量増加に伴い骨密度は有意に低下した。不正咬合群では正常咬合群に比べて、ビタミンAの過剰摂取と日光暴露時間の有意な低下が見られた。また、ビタミンB12摂取量増加に伴い骨密度は有意に増加した。正常咬合群がBMIの影響を受けなかったのに対し、不正咬合群では、高BMI群と低BMI群は基準BMI群よりも骨密度は有意に低くなっていた。以上の結果から、不正咬合群はビタミンAの過剰摂取と日光暴露時間の有意な低下、BMIの骨密度への影響により、正常咬合群よりも骨密度が低い傾向にあったと考えられた。ビタミンCとビタミンB12については従来の報告通り、骨質改善に働いていた。マグネシウム摂取量と骨密度の関連は未だ明確ではなく、特に若年女性のデータは少ないため、今後の検討課題と思われた。 不正咬合者は正常咬合者に比べ、踵骨骨密度が低くなる傾向が見られた。また正常咬合者と不正咬合者では、骨密度に影響する体格および栄養因子が異なる可能性が示唆された。骨量獲得が旺盛な時期の若年期女性の咀嚼機能障害を改善すること、すなわち外科的矯正治療を行うことで、正常咬合者に近い栄養摂取状態となり、高い最大骨量の獲得へつながるかもしれないと考えられた。}, school = {松本歯科大学}, title = {女性の正常咬合者と不正咬合者における骨量と栄養の関係}, year = {} }