@article{oai:mdu.repo.nii.ac.jp:00000408, author = {大久保, 裕一郎}, issue = {3}, journal = {松本歯学}, month = {Dec}, note = {application/pdf, 歯が機械的刺激を受けると,歯根膜だけでなく歯肉もさまざまな生化学的反応を引き起こす.その反応の主体は,細胞外マトリックス(extracellular matrix: ECM)の合成と分解であり,プロテアーゼとそれを制御する遺伝子の発現およびその変化としてとらえることができる筈である.特にマトリックス金属プロテアーゼ(matrix metalloproteinases: MMPs)の誘導は,ECMの構造に退行性変化をもたらす.私は炎症性サイトカインであるインターロイキン(interleukin: IL)-1βとMMPsの関係を調べている過程で,エラスチックバンド挿入後のラット歯肉に,正常歯肉では認められなかったEMMPRIN (extracellular MMP inducer)が発現していることを見いだした.EMMPRINは,癌細胞やそれに接する間質細胞に高発現し,MMPsの発現を亢進させて癌の浸潤や転移に関与すると考えられている膜結合性タンパク質である.しかし,EMMPRINの非腫瘍組織における役割については不明の点が多い.そこで,メカニカルストレスによる歯肉におけるEMMPRIN遺伝子発現の動態をin vivoで検討した.本実験ではエラスチックバンド直下の歯間乳頭部の頬側歯肉を経時的に採取し,総RNAを抽出してEMMPRIN, MMP-2, MMP-13およびIL-1βの発現をRT-PCR法と定量的リアルタイムPCR法により分析した.MMP-2とMMP-13は正常歯肉においても発現が認められた.一方,EMMPRINとIL-1βは正常歯肉においては発現が認められなかったが,両者ともエラスチックバンド挿入後30分で発現した.定量的リアルタイムPCR法による分析結果より,EMMPRINは,早期応答型サイトカインであるIL-1βと同じく,急速に発現することがわかった.また,エラスチックバンド挿入後にIL-1βとMMP-2が著しく発現抑制を受けたが,EMMPRINとMMP-2の発現に相関性は認められなかった.以上の結果から,歯肉のメカニカルストレス負荷初期において,EMMPRINはMMPsの発現制御には関わっていないことが示唆された.またEMMPRINは早期応答型サイトカインである可能性も示唆された.}, pages = {313--323}, title = {メカニカルストレスによるラット歯肉におけるEMMPRINの遺伝子発現}, volume = {34}, year = {2008} }